OB・OG訪問 vol.5(33回生:小林 宏子さん)

OB・OG訪問企画の第5回目は33回生の小林宏子さんです。小林さんは、東京・日本橋にある5つ星ホテルであるマンダリン オリエンタル 東京で、フロント所属・ゲストリレーションズとして活躍しています。

同ホテル37Fにあるミシュラン1つ星を獲得する広東料理レストランのティーコーナーにて、スカイツリーの壮大な眺めと飲茶を楽しみつつインタビューという、とても贅沢なひと時を過ごしました。

 


(注:Q=同窓会スタッフ)

PART 1: 高校時代は国教の影響を強く受けた

Q. 高校時代の思い出は?

知多市出身で千種に行くのがとても大変でした。また、帰国子女でもないのに国教を受けたいと言ったら「前例がない」という理由で大反対されましたので、推薦ではなく一般枠で入学しました。千種はとにかく自由で、3年の秋まで殆どの時間を部活動 (ラグビー部)に費やしていました。
一番の後悔はもっと勉強しておけばよかったことですね (笑)。

Q. 一番印象に残った先生は?

やはり (当時ラグビー部の顧問だった)桑田先生!とても熱がこもってましたね。

Q. 勉強の方はどうでしたか?

国教では授業の半分が英語で理数科目は殆どやりませんでした。
中学英語の実力だったので、先生はできる生徒に合わせるため英語の授業についていくのが大変でしたね。当時は南米に興味があったので、第二言語はスペイン語にしました。

Q. 部活と勉強以外 (学校行事など)はどうでしたか?

あまり学校行事には熱心に取り組んでいませんでしたが、健脚会では国教メンバーでダンスをやっていました。
学校祭でも音楽室でダンスを披露したことがありますが、高校3年間は殆ど部活に時間を使っていましたね。放課後に掃除した記憶もあまりないかもしれないですね (笑)。

Q. 千種の経験が今の仕事に活きていますか?

仕事を選ぶ上でとても影響していると思います。
国教に入学した時から海外に興味があって、学生時代はバックパッカーとしてインドや東南アジアを旅行していましたね。
実は、元々ホテル業界に就職した訳ではありませんでした。今の仕事で5社目ですが、ホテルは2社目です。1つ前のホテルはカンボジアにあります。大学時代にアルバイトでお金をためて行ったカンボジアが大好きになったことがきっかけです。

Q. 大学の専攻は何でしたか?

教育学部でした。学校の先生になりたかったんです。もう1度千種に戻って、花園に行きたいと思っていました!!教育実習でも千種に行きましたよ。
ただ、勉強すればするほど人を育てるのは大変だと思うようになりました。
仕事を選ぶ際は「カンボジアに住みたい!」という思いを持っていましたが、「卒業後1度は日本で働いた方がよい」と諭され、大学卒業後は英会話スクールに就職しました。入社当時から「そのうちカンボジアに行くので辞めます!」と、上司に言ってました (笑)。

Q. 入社時点で海外指向があったんですね!

やはり国教の影響がすごくあったと思います。海外経験がありませんでしたが周りが帰国子女で、刺激を受けて自身も海外に行きたいと思うようになりました。
英会話学校を辞めた後は、カンボジアに行って日系の旅行会社に入社しました。そのときはツアーガイドもやっていて、3日に1回位はアンコールワットに行ってました (笑)。
その1年位後に、カンボジアのラッフルズホテルで「日本人のスタッフを募集している」と聞いて、面白そうだと思って転職しました。そこで5年半ほど働いた後、名古屋の一般企業に就職しました。販促の仕事をやってましたが、人と繋がっていける仕事に戻りたくて現職に就きました。

熱心に就職活動はしていたという訳ではなく、またやりたいことは後からでもできると思ってました。

小林さん2


PART 2: 大事なのは、人や物に興味を持つこと&元気と体力があること

Q. 今のお仕事の内容は?

宿泊部の中のゲストリレーションズという部署にいます。VIPのお客様を対象に、裏方としておもてなしの手配をしています。
例えば、スイートルームに宿泊するお客様が誕生日の場合、事前にケーキやシャンパンを手配したり、お客様がお出かけしている間に部屋をデコレーションしたり、メッセージカードを関係者に書いてもらったりしています。
こちらから演出を考えることもありますが、海外のVIPには秘書の方がいらっしゃるので、「彼はこれしか食べない」「朝は必ず3本バナナを食べる」「牛乳はこのブランドしか飲まない」など、事前に情報をお伺いすることもあります。

Q. 今は飲食系のバイトをやっているのですが、コスチュームを汚した後にアイロンがけして綺麗にしてくれる裏方の方が居て、表舞台だけでなく裏方の仕事にも興味を持つようになりました。憧れの仕事はと聞かれると、あれもこれもしたいになってしまって決められないんです。

学生のうちはそういうものだと思います。ホテルの中だけでも様々な仕事があります。
去年、ホテルスクールのインターンの方を受け入れました。彼女は、「ホテルは基本部屋を売る仕事なので部屋のことを知っておいた方がよい」という考え方で、ハウスキーピングを希望しました。
いろんな切り口があると思いますが、個人的にはレストランを管轄する料飲部のサービスがすごいと思います。商品の知識、お酒の知識、好き嫌い・アレルギーなども知っておかないとできない仕事です。

Q. コンシェルジュに必要な資質はありますか?

コンシェルジュに限らずホテルで働くには、人に対しても物に対しても興味を持つことだと思います。
「この人にこうしてあげたい」と思えるかどうか。お客様もサービスに対してお金を払ってくださるので、特にラグジュアリーホテルはそういう所が求められると思います。
知識の量、記憶力も大事です。「このような感じで」と伺った時に、瞬時にお客様のために簡単に調べられること以外の必要なものを自分の引き出しの中から出せること。コンシェルジュは永遠に走り続けないといけないですね。体力も要りますし、新しいお店が出てきたときなど知識のアップデートも必要です。

元気と体力があるのが1番大事だと思います。たまに夜勤もありますし、体力が非常に大切な仕事ですので、何でも食べることができてどこでも寝られるみたいなのが1番です (笑)。
そして朗らかなこと。いつもニコニコしてポジティブな様子を見ていると元気になれますし、ゲストに愛されるスタッフは皆そのような感じです。

Q. 日々の勉強の時間をどのように作ってらっしゃるのですか?

入社同時は、周辺のお店のことは全然わかりませんでしたが、後から社内資料に目を通したり自分で足を運んで訪れるうちに必然的に知識がついてきました。予約課からコンシェルジュに転身したスタッフもいますし大丈夫ですよ!

小林さん3


PART 3: 千種の友人はとても大切、千種に行って良かった!

Q. また千種の話に戻ります。国教から影響を受けたと話がありましたが、千種で良かったと思うことはありますか?

高校の友人はとても大切で、今でも仲良しです。ラグビー部の友人とは、だいたい年末には今でも忘年会をやってますよ。同期の結婚式のために、みんなで札幌まで行ったこともありました。特に国教はクラス変更がなかったので、3年間一緒、みんな仲が良かったですね。

Q. 学生時代に人生の転機となることはありましたか?

カンボジアですね。
バックパッカーの友人が皆「カンボジアはいいよ!」と言うので、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジアの4カ国を2ヶ月かけて回った時に、最後のカンボジアでアンコール・ワットを見た後に帰りのチケットを捨てました (笑)。家族のように受け入れてくれて、こういう人達とずっと過ごしたいと思いました。

Q. 最後に、未来の千種生にメッセージを!

まず、「千種はいいですよ!」と言いたいですね!!中学生向けのメッセージですが、みんなに「千種に行きなさい!!」と言いたいくらい (笑)。

あと、やりたいと思ったことはできる時にやっておく、ことですね。
やらない後悔よりはやって後悔した方がいいと思います。こんなに色々やってきた自分でさえ、高校生の時にあれすれば良かったと思うことは沢山あります。勉強もしておいた方がいいと思います。自分は恥ずかしながら勉強してこなかったのですが (笑)。